これがオラの村の秋祭り!
記事/さっちゃんはね♪(2003/10/22記)
…って、村じゃなくて一応「市」なんですけどね(笑)
見事な秋晴れに恵まれた10月16日から18日までの3日間、わが町、愛媛県新居浜市(にいはまし)の秋祭り「新居浜太鼓祭り」が行われた。
写真にあるような「太鼓台」を約150人の「かき夫」が担ぐのである。(こちらの方言で担ぐことを「かく」という)
高さ5.4m、長さ11m、幅は3.4m、そして総重量約2.5トンというこの巨大な太鼓台は、市内の各地区が所有し、現在新居浜市全域で48台ある。
市内を3ブロックに分けて、それぞれの会場で「かきくらべ」(平たく言えば、担ぎ方のコンテスト)を催すのが祭りのメイン・イベントとなる。
この祭りは、五穀豊穣を祝う意味を持っているが、起源発祥については特定されていない。江戸時代の文献には記述が確かにあるらしいのだが、ルーツは平安時代か鎌倉時代ではないかといわれている。
てっぺんの部分の紅白の幕は「天幕(てんまく)」結んでいる黒いのが「括(くくり)」その下に下がっているのが「房(ふさ)」という名称で、それぞれ空、雨雲、雨を表しており、農耕にはなくてはならない自然の恵みを表現している。また、金糸で刺繍された面は一番上の昇り竜・下り竜の部分は「布団じめ」と言い、竜はすなわち雨の神。中段の部分を「上幕(うわまく)」三段目にあるのが「高欄幕(こうらんまく)」と呼ばれ、ここには歴史上の伝説を図柄にしているものが多い。
この内部に太鼓が据えられており、これを2名でたたき続ける。リズムは「ドン・デン・ドン・(休)」の4拍子で、思わずタテのりしてしまう心地よさ。それが、祭りがヒートアップするに従ってテンポは限りなく速くなる。また、通常はかき夫の肩の上で担がれるが、かきくらべの見せ場として、全員が手を伸ばして持ち上げる「差し上げ」は圧巻である。(写真の状態)
昭和30~40年代にはこの太鼓台同士を鉢合わせさせる「喧嘩」が数多く起こったが、なにしろこれだけのものがぶつかり合えば、死者が出る場合もあるので、現在では禁止されている。しかし、元々「荒々しさ」が売りの男祭りであるので、かきくらべは毎回、一触即発の雰囲気をはらんでいて、「喧嘩」に発展するほど荒れたときほど、祭りが盛り上がるという皮肉な事実もある。
地元の若者で、就職等の都合で他所に住んでいる場合、夏休みや正月に帰省しなくても祭りには帰ってくるという人も少なくない。
普段は完全に忘れきっている「郷土愛」なんて言葉を強く感じてしまう3日間なのである。